FRDオーバーホール完了

お預かりしていたFELT AR FRDのオーバーホールが完了しました。

FRD完成

写り込んでる後ろのボントレガーは別件です。また後日書きます。

さてこのフレーム実は電動専用設計ですが、前のオーナーがワイヤーでも使えるように改造したようです。一部不完全で手を焼かされましたが、綺麗にできました。

まずこれは誰が見てもエアロロードですね。ということは前面投影面積を少しでも小さくすべきです。メカニックができるのはワイヤー類などをスッキリさせることです。

FRDhedtube

無駄に長いワイヤー類は悪しかないと思います。良いことなんて一つもないと勝手に思ってますが、ほぼ事実です。走行に必要のない長さはカットするべき。というわけでバッサリいきました。ついでにリヤ側のシフトアジャスターも除去です。この長さでも輪行時ハンドルを90度切っても支障ありません。

そして電動専用設計なので元々なかったBB下ワイヤーガイドですが、無理やり取り付けていました。取り付けに際してリベットナット(ブラインドナットとも言う)を使用していたのですが、全く使い方を理解していなかったようで、ただのナットとしか機能していませんでした。リベットなのにカシメていない。じゃ〜普通のナットでいいやん。

FRDワイヤーガイド

下穴を整えリベットナット加工しました。次からはワイヤーガイドを外してナットも外れるなんてことは起こりません。

続いてリヤブレーキですが、ルートとしてはトップチューブから入れてダウンチューブから出してBB下のダイレクトマウントブレーキにフルアウターでつなぐというもの。前に組み立てをした人がどういう考えだったのかはわかりませんが、僕では考えつかないルートでトップチューブへ入って行ってました。

FRDリアブレーキ

ハンドルの前から出してステムの上を通っていた斬新なルーティング。これも無駄が多いので完全に違うルートにしました。なおBB下ダイレクトマウントブレーキにはクイックリリース機能がついていないので、その機能を持ったシマノSM-CB 90というパーツをワイヤーがフレームに入る前にかませるというのが一般的です。ですが大きくて邪魔になるあのパーツはエアロロードには付けたくないというのが本音です。しかしワイヤーアジャスターがないとホイールの脱着が面倒なのでアジャスター機能だけのSM-CB70をダウンチューブ下に入れました。というかお預かりした時にアジャスターはどこにも入っていませんでした。

FRDアジャスター

エアロ効果もあまり殺さず、スッキリつけるにはここが最適だと考えてます。


というわけで、オーバーホール完了です。

オーバーホールはフレームによって作業内容が変わるはずですが、一様に同じ仕上げをしているショップが多いです。フレーム設計者の意図やそのフレームの特徴に合わせて組むべきだと考えているので、少し他店よりお時間をいただきますが、綺麗にカッコよく組み立てさせていただきます。もちろんご希望があればそれにそう形で仕上げますので、お気軽にご相談ください。

© 佐々木優 2018