ZONDAさん続き

お客様から確認が取れたので作業再開です。

まずハブの組み立てから。

IMG 8991

完全に脱脂洗浄したベアリングをベアリング受けに入れます。受けの上部に見える溝ですが、ここに白い蓋がハマります。

IMG 5695

わかりやすいようにグリスを入れる前に一度蓋を取り付けてみました。こんな風にキッチリはめると受けの縁がしっかり見えます。見えてないとちゃんと取り付けられていないということです。(この後、ちゃんとグリスを入れました。)

それからハブ芯を入れてガタツキがないように調整しました。

続いて振れ取り作業に入るわけですが、最初にやることがセンター確認、スポークテンション確認です。

DSC 0034

全スポークをチェックします。ミョーにテンションが低いものや高いものがあるとリムに異常をきたしている可能性があるためこの後の作業内容が変わってくるためです。

特に変なスポークテンションの物はありませんでした。続いてリムのブレーキ面チェックです。

IMG 3185

結構深い傷が入っています。穴にでもハマったかグレーチングにやられたかでしょうか。ちなみにこの部分はG3スポークの空白部分です。

他の部分と比べるとこんな感じでブレーキ痕のつき方が違います。

IMG 1128

拡大したので傷がついていた部分は上部に切れて写ってませんが、ここだけブレーキ痕がリムの内側に寄っています。振れ取り台に載せてみるとここだけ縦ブレ(凹み側)がありました。

通常はG3スポークの空白地帯は凸側に縦ブレが起きやすいのですが、これは逆になってしまってます。

これは打痕ができた時の衝撃が原因なんではないかと思われます。スポークテンションを一度抜いてから調整し直したのですが、ここだけはどうにも振れが取れませんでした。

確認のために専用の定規で対角線上を数カ所計測してみたのですが、やはりここだけ凹んでいるような数値でした。しかし走行してこれを感じ取れる方はほとんどいないでしょう。というレベルにまでは調整できました。


インスタグラムにG3スポークは弱いのかという質問がありましたが、リムが凹んだり曲がったりするのはリムの強度に起因する場合が多くスポークパターンで差が出るようなことはないと考えられます。どんなアルミリムも走行中の速度や障害物によって曲がってしまうこともあると思います。ご参考までに。

© 佐々木優 2018